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猫の不妊・去勢手術はいつ行うべきかを改めて考える

投稿者:武井 昭紘

猫の不妊・去勢手術はいつ行うべきか?

この疑問には、各動物病院や獣医師が意見を持っていると思う。例えば、1歳未満(理想的には6~8ヶ月齢)で手術を実施することが望ましいなど、ウェブサイトに記載していることもある。また、雌猫においては、尿路疾患、乳腺腫瘍の発生する確率を抑えるために、初回発情の前が良いとも言われている。

さまざまな意見がある中で、混乱するのは、猫の飼い主さんである。インターネットで調べて、獣医師に質問して、結局いつ不妊・去勢手術することがベストなのか判断が付かず、手術を行うことなく月日が経過していくことも少なくないのが現状である。

そこで、獣医学博士でもあるWinn Feline Foundationの会長は、明確な指針を猫の飼い主さんに示す必要性があると主張している。そして、同財団は、Cat Fanciers’ Association(ネコ愛好協会)およびバンフィールド動物病院と提携し、以下の言葉を提唱した。

「Fix by Five Months」

猫の去勢。避妊手術は5ヶ月齢までに済ませるという考え方である。

猫は早いと4ヶ月齢、少なくとも5ヶ月齢から妊娠することができ、それに伴って多くの問題行動が出ることある。一日中鳴き続けたり、外に出たがる行動が増えたり、飼い主さんにとっては困った変化(問題行動)となる。また、雄猫におけるスプレー行動も同様に問題行動となる。

その結果、室外に猫が出てしまい予期せぬ妊娠をしたり、ウイルスや寄生虫に感染するリスクが増えることになる。問題行動が目に余る状態となれば、猫を手放す飼い主さんが出てくることも容易に想像できる。

さらに、問題行動、予期せぬ妊娠、猫を捨てることが増えれば、環境中に猫が増えすぎて、自治体による保護・殺処分へと繋がっていく。

これを食い止めるために、「Fix by Five Months」。

5ヶ月齢までに去勢・避妊手術を終えることは、多くの利点をもたらすことが考えられる。

もちろん、麻酔のリスクを避けるために、手術を選択しない飼い主さんもいるので、手術するしないの選択に完璧な正解は無いと思う。ただ、獣医師が猫の飼い主さんに充分な啓蒙活動を行い、飼い主さんに「納得できる選択」、「後悔しない選択」をしてもらうことが重要であると考えられる。

今後は、アメリカにおいて、猫の避妊・手術をするのであれば「Fix by Five Months」という考え方が広まっていくかも知れない。そうすれば、いずれ日本においてもスタンダードになる可能性がある。

色々と調べ過ぎて、手術を迷っている猫の飼い主さんには、アメリカの話をしてみても良いのではないかと思う。

飼い主さんを迷わせない明確な答えを提案することが、猫の将来に関わります。

飼い主さんを迷わせない明確な答えを提案することが、猫の将来に関わります。

 

参考ページ:

http://www.veterinarypracticenews.com/when-to-spay-neuter-cats-vet-consensus-says-fix-by-five-months/


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