何らかの原因で胆道系が破裂した時、胆汁は腹腔内に漏れ出して腹膜炎を惹起させる。そのため、この破裂をいち早く察知し、迅速に治療する必要があるのだ。とするならば、如何にして察知するか、その手段が問題となってくる。そして、それは「一次診療施設で実践できること」であることが理想である。
冒頭のような背景の中、イギリスの動物病院らは、過去3年間(2020年~2022年)に採取された犬の血清と腹水のサンプルを対象にして、ビリルビンと胆汁酸を測定する研究を行った。なお、サンプルは、腹水を含む急性の症状を呈して入院した症例のものに限定されている。すると、90例以上のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。
◆犬に起きた胆道系の破裂とビリルビン・胆汁酸の関係性◆
・約7.4%(7例)の症例が胆道系の破裂と診断された
・腹水に含まれる胆汁酸(中央値)は胆道系の破裂を抱えた犬で有意に高くなった
・その精度は感度100%、特異度99%であった
・ビリルビンの測定値で破裂を類推することはできなかった
上記のことから、腹水中の胆汁酸を測定することで胆道系の破裂を判定できることが窺える。よって、今後、腹水中の胆汁酸の測定値に関して、参照値やカットオフ値を設定する研究が進み、犬の胆道系破裂の診断精度が向上することを期待している。

本研究では、胆道系が破裂した症例が少ないため、大規模な臨床研究が進むと新たな見解が生まれるかも知れません。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39628377/


