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短頭種の福祉を悪化させる可能性のあるオーナーの認識に関する研究

投稿者:武井 昭紘

短頭種は様々病気になりやすい品種として知られている。そのため、他品種よりも取り分け福祉の悪化に留意する必要があるのだ。しかし、ある調査によると、オーナーの大部分が「愛犬の健康状態はベスト」だと認識しているという。果たして、オーナーの認識は短頭種の現状と合致しているのだろうか。あるいは、ズレていて彼らの福祉が悪化する危険を孕んでいるのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)は、犬を飼育しているオーナーにオンラインアンケートを依頼し、短頭種に対する認識と彼らの福祉を考える研究を行った。なお、同研究では、犬を①極端な外観上の変形を起こした短頭種(フレンチブルドッグなど)、②軽度から中程度の外観上の変形を持つ短頭種(ボクサーなど)、③短頭種ではない品種の3つのグループに分けている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆短頭種の福祉を悪化させる可能性のあるオーナーの認識◆
・運動を嫌がったり活動性が無い短頭種の様子(獣医学的には病的)を全てのグループのオーナーが正常だと思っていた
・①のオーナーは呼吸や筋骨格の異常で活動性が落ちている短頭種の様子を品種の特性だと思っていた
・その様子を「怠け癖がある」として肯定的に捉えていた
・この肯定的な認識はフラットな(鼻が潰れた)顔貌の犬を好む傾向と関連していた
・②や③のオーナーに比べて①のオーナーはフラットな顔貌を高く評価していた
・③のオーナーに比べて①と②のオーナーは「フラットな顔貌は寿命に影響しない」とより深く信じていた
・③のオーナーに比べて①と②のオーナーは購入前に品種に関する下調べをしない可能性が高かった

 

上記のことから、短頭種を買う(飼う)オーナーは彼らの顔貌を肯定的に捉え、その顔貌に起因する短頭種気道症候群を品種の特性(正常なもの)だと考えていることが窺える。よって、今後、「健康な短頭種」に関する明確な基準が設定され、その基準に照らし合わせてオーナーの教育、オーナー候補への啓蒙が進むことを期待している。

①のオーナーの7人に1人は、短頭種を飼うことを思いとどまらせるものは「何もない」と回答したそうです。

 

参考ページ:

https://www.rvc.ac.uk/research/facilities-and-resources/animal-welfare-science-and-ethics/news/new-research-from-the-rvc-identifies-impact-of-owner-perceptions-on-brachycephalic-dog-welfare-reforms


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