ニュース

猫に咬まれたヒトが発症した眼内の炎症の原因

投稿者:武井 昭紘

至って健康だった35歳の男性が猫に咬まれた。咬まれた場所は左眼の瞼と結膜であった。視力は0.8。当初、眼の中に異常は無いと判定された。しかし、診察を繰り返す度に眼内に炎症が起こっていることが疑われた。前眼房に炎症を認めて膿が溜まり、硝子体にも波及しているようであった。男性は破傷風のワクチンを、猫は一般的な予防をしていた。果たして、彼の身に何が起こったのだろうか。

硝子体切除術と抗生剤療法が適応される。手術から5日を経て退院。経過は良好であった。だが3週間後、白内障が続発した。再び手術を受けざるを得なかった。切除した硝子体組織の培養では、病原体が検出されなかった。そこで、遺伝子検査が行われた。Capnocytophaga felisの存在が確認された。

ある研究によると、カプノサイトファーガ感染症は免疫機能の低下(免疫抑制剤)、易感染性(糖尿病)と関連しているという。しかし、眼の手術を2回も受けた彼は健康体であった。咬まれた場所が悪いということもあろうが、同感染症は健康なヒトにも起き得ると言える。よって、犬や猫に触れる機会が多い皆様は、くれぐれも咬傷に注意を払って頂けると有難い。また、培養検査で病原体が陰性であった場合は、遺伝子検査を検討することをお薦めする(症例を発表したドイツの大学らの推奨)。

白内障手術の後、視力は1.0に回復したとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38252394/


コメントする