ハウズ症候群。これは猫にみられる眼科疾患で、第三眼瞼の突出と眼瞼の下垂を特徴としている。こう聞くと、ホルネル症候群を思い浮かべる方も居るだろう。しかし、ハウズ症候群では縮瞳は生じないらしい。また、特発性(原因不明)が多いホルネル症候群と比べて、ハウズ症候群では感染性が示唆されているのだ。果たして、その実態とはどうなっているのだろうか。
冒頭のような背景の中、イスラエルのエルサレム大学は、ハウズ症候群(急性に症状が発現している)と診断された猫10匹の診療記録を解析する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆猫のハウズ症候群の臨床病理学的な特徴◆
・症例の月齢は17.6±9.1(2~36)ヶ月であった
・全例に両眼の第三眼瞼の突出と眼瞼の下垂が認められた
・縮瞳など他の眼症状は無かった
・4例が下痢を呈していた
・それ以外は至って健康であった
・下痢を呈した症例(子猫)を飼い始めた世帯で同居猫に症状が移っていた(4~11日目以内)
・全例でFIVおよびFeLVウイルスは陰性であった
・検査を実施した9例のうち4例でジアルジアが陽性であった
・SAAを測定した8例のうち2例で上昇していた
・α作動薬であるフェニレフリンやテトラヒドロゾリンの点眼で20分以内に一時的に症状が解消した
・9例は37.7±23(12‒95)日以内に症状が消失した
・しかし5~6ヶ月後に9例のうち3例が再発した
上記のことから、ハウズ症候群は交感神経のトラブルであり、感染性である可能性が示唆されたと言える。だが、FIVもFeLVも関与していないようで、ジアルジアも一部の症例からのみ検出されている。また、症状が移ったように見えているだけで、新しく飼い始めた猫にとっても同居猫にとっても環境が変化したことが影響しているとも捉えることができる。よって、今後、当該疾患の全容を解明するべく大規模な臨床研究が計画され、検査法、診断法、治療法、予防法が確立されていくことを期待している。

ハウズ症候群の眼症状につきましては、リンク先の論文をご参照下さい(写真あり)。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39267365/


