7週間もの長期に渡って呼吸困難、嚥下困難、逆流症を呈していることを主訴に、8ヶ月齢の子猫(不妊メス)が香港の動物病院を訪れた。X線検査の結果、彼女は巨大食道症を抱えていることが判明した。加えて、喉頭部に腫瘤の存在が疑われた。果たして、本症例に何が起きたのだろうか。
喉頭部の精査のために、内視鏡検査が実施された。そこには、丸みを帯びた大きな腫瘤が横たわっていた。その腫瘤の内部は液体で満たされ、嚢胞を形成しているようであった。液体を完全に排出する。これで解決すると思われた。しかし、嚢胞は感染を伴って再発した。そのため、外科的に切除する必要性に迫られた。手術は成功。完全に切除した腫瘤の病理組織学的検査によって、喉頭部の粘液嚢胞と診断された。術後まもなく臨床症状は消失した。巨大食道症も改善した。以降3年間、再発は認められなかった。
症例発表を行った香港城市大学は、本症例を世界初と位置付けた。猫の喉頭に粘液嚢胞が発生した事例として、また、本症例は呼吸器症状と消化器症状を併発していたことから、それらを鑑別する必要があると訴える。特に今回発生した病態に起因する巨大食道症の予後は良好であることから、呼吸器症状をメインに診察を進めることが重要だと述べる。よって、本症例に類似した症状・所見も持つ猫では内視鏡検査または外科的治療を検討することをお薦めする。

X線検査において、腫瘤は不透過性を示したとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39070187/


