ある研究によると、副腎皮質機能亢進症の犬に投与するトリロスタンは低用量から始めて必要に応じて増量することが効果的だという。また、この低用量は副腎皮質機能低下症のリスクを抑えるとも言われているのだ。しかし一方で、殆どの症例でトリロスタンの増量が必要になる現状を鑑みると、低用量での開始は即ち当該疾患を良好にコントロールする時期が遅れるという意見もあるのだ。とはいえ、無論、不必要に高用量のトリロスタンの投与も避けたいのが事実である。このジレンマを如何に解決するか。それが獣医学の課題となっている。
冒頭のような背景の中、ブラジルのウベルランディア連邦大学は、下垂体依存性副腎皮質機能亢進症(pituitary-dependent hypercortisolism 、PDH)の犬40匹以上を対象にして、彼らのACTH試験の結果とトリロスタンの投与量との関連性を解析する研究を行った。なお、ACTH試験の結果は、PDHと診断された時のもので、且つ、ACTH投与後の数値である。すると、≥27μg/dL(参照値2~7μg/dL)を示す症例は96%の確率で高用量のトリロスタンが必要になることが判明したという。
上記のことから、ACTH試験の結果は今後必要になるトリロスタンの投与量を示唆していることが分かる。よって、本研究を参考にして、実際の症例における投与量の高低を検討して頂けると幸いである。

ACTH試験の結果を基にトリロスタンの投与量を決める早見表が作成されると、効率的な治療ができるようになるかも知れません。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39032188/


