犬の子宮蓄膿症は、子宮に炎症と感染を起こしている病気で、それらが全身に波及すると多臓器不全や敗血症を起こし、致死的経過を辿ることで知られている。そのため、早期発見・早期治療が重要であり、症例(衰弱している個体)の扱いも充分に注意する必要がある。つまり、非侵襲的な検査で迅速に診断することが、当該疾患の診察では求められるのだ。
そのような背景の中、ヨーロッパの大学らは、臨床上健康な犬と子宮蓄膿症の犬から唾液サンプルを採取して、それをプロテオーム解析にかける研究を行った。すると、700を超えるタンパク質が定量化され、うち16種類の発現が両者間で有意に異なっていることが判明したという。そして、その中には、S100Aカルシウム結合タンパク質12(S100A12)、ビメンチン、ハプトグロビンなど、炎症性メディエーターや急性期タンパク質、敗血症を示すタンパク質が含まれていたとのことである。
上記のことから、これらのタンパク質は、犬の子宮蓄膿症を非侵襲的に診断するバイオマーカーになり得ることが窺える。よって、今後、バイオマーカー候補を用いて、どれほど初期の子宮蓄膿症を認識できるかを検証する研究が進められることに期待している。

唾液サンプルを使用したプロテオミクス解析が、様々な犬猫の疾患に適応され、新しい診断法が数多く誕生することを願っております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32596263/


