自動車メーカーの中でも、とりわけ安全性を重視しているのがボルボだが、その対象は人間だけではない。このたび北米向けの大型トラック・ボルボVNLがペットの「安全性試験」に合格したことが分かった。
記事よると、米国の長距離ドライバーの中には、愛犬をトラックに乗せ大陸を横断する仕事に出かける人も多い。飼い主と共に全米を駆け巡るペットは80万匹に及ぶといい、その安全性に初めて焦点が当てられた。ペットとの旅は、この職業の隠れた魅力の一つとなる可能性があり、担い手不足に悩むトラック業界も注目しているようだ。
北米ボルボのトラックが世界初の「ペット安全性試験」に合格
米国のホリデーシーズンに合わせて、ボルボ・トラックス・ノース・アメリカ(北米ボルボ)と非営利団体のセンターフォーペットセーフティ(ペット安全センター)が、北米向け長距離輸送用大型トラック「ボルボVNL」によるペットの安全性試験を完了した。大型トラックでペットの安全性を検証するのはおそらく史上初となるが、犬を飼っているトラックドライバーにとっては喜ばしいことだ。
大陸を横断する米国の長距離トラック輸送は、1航海が1か月に及ぶこともあり、家族やペットを連れて旅をするドライバーも多い。商用トラックに乗って飼い主と共に全米を駆け巡るペットの数は80万匹に及ぶという。試験はその安全性に初めて焦点を当てた。 ペットの安全性試験に合格したボルボVNLについて、北米ボルボのプロダクト・マネージャーを務めるマディ・サリバン氏は次のように話している。
「私の知る限り、ボルボVNLはペットの安全性試験に合格した初めての大型トラックとなります。ボルボのDNAに刻み込まれている安全性へのコミットメントは、ドライバーだけでなく道路を利用する全ての人と、彼らが家族として大切に思っている動物たちにも及びます」。
ペット安全性評価の詳細は?
試験は2025年12月12日にバージニア州ダブリンのボルボ・カスタマー・センターで行なわれたもので、ペット安全センターの専門家がボルボVNLの詳細な評価を実施した。 評価では、ボルボVNLの車内レイアウトやアンカーポイントの強度、ペットの行動を制限するためのオプション、空調機能などの調査を行なった。
そして、この評価結果を具体的に検証するため、ペット安全センター認定のハーネスとキャリアを装着した犬たちがカスタマーセンターの周回路でトラックに「試乗」した。 こうした実走試験により専門家は走行中のトラックの中でペットがどのように行動するか、そしてトラックのキャブが四足歩行の動物の安全性と快適性をどのようにサポートするか観察することができたという。 ペット安全センターの創設者でCEOを務めるリンジー・ウォルコ氏は次のように話している。
「ボルボVNLを実際に評価することで、車両設計や固定カ所、キャブレイアウトがペットの安全にどのような影響を及ぼすか検証することができます。ボルボのエンジニアや製品チームと協力してキャブの機能を評価し、ペットにとって最も安全な場所を特定することができます。ホリデーシーズンは物流を担っているドライバーにとっては特に忙しい季節ですが、ペットの安全を確保することで、飼い主であるドライバーは運転に集中でき、注意散漫を軽減する支援となります」。
初めての「ペットテスト」の教訓
新型ボルボVNLはペット安全性試験に合格した。つまり、適切なハーネスとキャリアを装着することで、愛犬は飼い主と同じトラックに安全に乗ることができるという評価だ。 「長距離輸送用のVNLは、ドライバーの道路での生活を支援するために設計されています。ペット安全センターと直接協力し、私たちの選択が毛むくじゃらの『副操縦士』にとっても安全で快適な移動をサポートできることを確認しました」(サリバン氏)。
今回の安全性試験を通じて得られた教訓は次のようなものだという。
・ボルボVNLのアンカーポイントは、ペット安全センター認定のハーネス&キャリアを固定する互換性を持つ。強度試験も行なわれており、ペットとドライバーの保護に役立つ
・ボルボのパーキングクーラーは業界をリードしており、エンジンを切っても(アイドリングなしで)車内は最大8時間、快適な温度を維持することができる。これは極端な外気温でも動作し、ドライバーだけでなく、暑さに弱い犬にとっては非常に重要な機能だ
・職業ドライバーには、ペットを車内に残したまま一時的にトラックを離れなければならない状況が発生するが、ボルボのコネクテッドアプリは遠隔でキャブ内の温度を調整することができる
・VNLのメッシュベッドは、わずかな変更を加えることでペットにとっての安全なエリアとすることができる なお、ペット安全センターはペットを伴う移動の際のヒントも共有しており、車内で愛犬の移動を適切に制限する方法や、必需品、休憩所や寒さへの備え、冬のドライブに役立つアドバイスなども公開している。
ペット同伴の「仕事」にはトラック業界も注目!?
ボルボとペット安全センターのコラボレーションは、2025年秋の米国トラック協会のカンファレンス&エキシビジョンで発表されている 今回の安全性試験はその新たなフェーズを示すもので、2026年も継続する予定だ。
最終的にはプロドライバー向けに、ペットを伴う安全な移動に関する共同ブランドやデジタルリソースを完成させることにしている。 トラック協会のカンファレンスで何故「犬」なのかと思うかもしれないが、ペットと一緒にできる仕事は多くない。愛犬と一緒に安全な旅ができるなら、トラックドライバーという職業の新たな魅力となる可能性を秘めている。 米国もトラックドライバーの人手不足に悩んでおり、その魅力を高めるためトラック業界もペットの安全性に注目しているようだ。
安全性がDNAに刻み込まれているというボルボは、自動車の安全性に関してはこれまでも先進的な取り組みをしてきたことで知られる。1959年に3点式シートベルトを発明した同社は、その設計をすべての自動車メーカーに無償で提供し、数百万人の命を救ったと評価されている。
北米市場では1996年に「ボルボVN」でフロントエアバッグを標準装備として導入したほか、高張力鋼キャブや電子姿勢制御システム(ESC)、自動911(緊急通報)システムなども北米で初めての展開した。
また、2025年にはサイドカーテン・エアバッグを標準化するなど、安全に対する積極的な取り組みは今も変わらない。ペットの安全性は、ボルボの伝統の新たな1ページとなりそうだ。
新型ボルボVNLはペット安全性試験に合格した。つまり、適切なハーネスとキャリアを装着することで、愛犬は飼い主と同じトラックに安全に乗ることができるという評価だ。
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<2026/01/14 ベストカーWeb>
ボルボが史上初 トラックの「ペット安全性試験」を実施(写真と記事は関係ありません)



