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オス犬の精細胞におけるDNA損傷を検出するコメットアッセイ

投稿者:武井 昭紘


ヒトと同様に、犬においても、OAT症候群(乏精子症Oligozoospermia、精子無力症Asthenozoospermia、奇形精子症Teratozoospermiaの頭文字)が知られており、受精または胚発生に支障をきたすことが懸念されている。しかし、このような生殖細胞の異常を起こす要因は、充分に検証されておらず、多角的な視野(遺伝、飼育環境、感染症、ストレスなど)によって、分析することが重要であると思われる。

そこで、ポルトガルの大学および獣医学研究センターは、犬のOAT症候群について遺伝学的研究を行った。同研究では、OAT症候群を罹患した犬6匹と臨床上健康な犬6匹を対象として、コメットアッセイ(DNA損傷検出法)を用いた精液性状検査が実施されている。研究の結果、犬の生殖細胞(精子)のDNA損傷は、①精子の形態異常と正の相関(損傷レベルが高いほど形も異常となる)、②精子の運動性と負の相関(損傷レベルが高いほど精子の活動性が低下)を示すことが明らかとなった。

上記のことから、犬の精子のDNA損傷は、OAT症候群の原因の一つであることが推測できる。また、今回の検証をキッカケとして、犬のOAT症候群(将来的には人医療へと展開)を解決するための「精子のDNA損傷を予防する方法」や「損傷したDNAを修復する手技」の確立を試みる研究が進められていくことに期待したい。

コメットアッセイが、ブリーディングの前に行うスクリーニング検査として確立されれば、遺伝性疾患の症例数が大幅に減少するかも知れません。

コメットアッセイが、ブリーディングの前に行うスクリーニング検査として確立されれば、遺伝性疾患の症例数が大幅に減少するかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/28804928/


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