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出血を伴う犬の下痢症に対する糞便中マーカーを確立する研究

投稿者:武井 昭紘

出血を伴う犬の消化器疾患である特発性急性出血性下痢症候群(Idiopathic acute hemorrhagic diarrhea syndrome、AHDS)は、特にオーナーにとって、下血という強い視覚的インパクトを与えると同時に、症状が長期に渡ると、重度の脱水や腸管からのタンパク質の喪失が問題となる。しかし、当該疾患の診断または治療効果判定に利用できるマーカーの研究は乏しいという現状がある。

そこで、アメリカのテキサスA&M大学は、AHDSの経過を評価するマーカーの特定を目的とした研究を行った。同研究では、AHDS症例から3日連続で、糞便中の①カルプロテクチン、②S100A12(S100 calcium-binding protein A12)、③α1プロテアーゼインヒビターの3種類の物質について測定を実施している。すると、診断時(1日目)では①②③の全てが基準値よりも有意に上昇しており、加療後である3日目には全項目が有意に低下していることが明らかとなった。

上記のことから、①②③を経時的に追跡することが、AHDSの診断および治療効果判定に有用であると考えられる。今後、動物病院内で犬のAHDSを診断できるように、「3種のマーカー」を測定できる動物用検査キットが開発されることに期待したい。

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今回紹介した3種類のマーカーが、AHDS以外の消化器疾患の確定診断にも利用できると立証される日が来ることを願っております。

 

参考ページ:

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/vec.12636/abstract


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