中央アメリカ(メキシコの南方)に位置する共和国であるニカラグアは、放し飼い状態の犬に関する「ある懸念」を抱えている。それは、自由に行動できる犬の過剰な繁殖に伴う①野生動物への危害や②ヒトおよび大動物(牛、豚)への感染症の拡大である。このような特定の国(日本のような島国ではない地域)の社会問題は、陸続きで隣接する、または、物理的(距離的)に近い国々にとっても、深刻な課題となる場合がある。
そこで、アメリカのオレゴン大学は、上記の問題を解決するために、獣医学部生をニカラグアに派遣して獣医療を提供している。この活動は「ボランティア」という形式で行っているため、参加する学生は1人あたり約1500ドル(約16万5000円)の自己負担をしているとのことであり、同大学は学生を支援する目的で寄付金も募っている。そして、現在までに、20人以上がニカラグアに降り立ち、300匹以上の動物の診察が実現している。
日本にも、海外研修・留学の制度を導入しているの獣医科大学があるが、獣医師ボランティアとしての診療業務を担う訳ではない。将来的に、今回紹介したオレゴン大学のように、「実地・実践」を主体とした研修システムが、本国にも導入されることに期待したい。

獣医学生が世界の小動物臨床現場を視る機会が増えるようになれば、日本国内に欠けている概念や意識(危機感)を逆輸入することが出来るかも知れません。
参考ページ:
http://stuorgs.oregonstate.edu/ivsa/donate


