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犬に感染したジステンパーウイルスの増殖を制御する可能性を秘めたコーヒー含有成分

投稿者:武井 昭紘

犬のジステンパーウイルス(Canine distemper Virus、CDV)感染症は、発熱、呼吸器症状、神経症状を呈して、重症化すると斃死することもあるため、予防医療(ワクチン接種)が非常に重要である。しかし、予防接種を済ませたとしても、CDVの感染を100%防ぐことはできず(ワクチン接種による臨床症状の軽減は期待できる)、罹患犬に対する有効な治療法も確立されていないため、多角的視野から感染症対策を考案していくことが必要だと言える。

そこで、中国の吉林大学は、CDVの犬への感染を阻害する有効成分に関する研究を行った。今回の研究では、カフェイン酸(カフェ酸、コーヒー酸、caffeic acidとも呼ばれる)に着目しており、汎用されている培養細胞の一つであるVero細胞へのCDV曝露に対するカフェイン酸の効果を検証する形式が採用された。このカフェイン酸は、コーヒー豆の焙煎によって生成される物質であり、抗炎症作用、抗菌作用、抗酸化作用を有すると考えられており、それらを実証するための研究が2017年現在も報告されている。

同大学によると、カフェイン酸は、CDVのRNA合成を59〜86%減少させるという抗ウイルス効果が確認されたとのことである。また、カフェイン酸の単独投与よりも、抗ウイルス薬であるリバビリンと併用することで、更に高い抗ウイルス活性を発揮することも認められている。

今後、臨床上健康な犬におけるカフェイン酸の安全性試験およびCDV感染症例におけるカフェイン酸の効果に関する臨床研究を経て、カフェイン酸が多くの犬の命を救う新しい治療薬(またはサプリメント)として製品化されることに期待したい。

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世界の広範囲に流通している物が、致死性感染症に有効であると立証されれば、獣医療レベルの地域的な(国家間の)格差を是正することも期待できると思います。

 

参考ページ:

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0882401017305272?via%3Dihub


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