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整形外科医が発見した再生医療技術「リポジェム」が小動物臨床へと応用される

投稿者:武井 昭紘

再生医療は、神経系や筋・骨格系疾患などにおいて注目されている技術であり、主に各種幹細胞を用いることが一般的である。しかし、今回紹介するものは、「幹細胞に依存しない」最新の再生医療である。

この手法は、顎骨の整形外科手術を専門としているイタリアの医師が発見したもので、患者の術後にける顔の形状を整える(足りない組織を補填する)ことを目的として、脂肪組織を利用したことが始まりである。この際に、予期しない優れた現象が認められ、術創の炎症が想定を超えて軽減されたとのことである。つまり、術野へ移植した脂肪組織には「隙間を埋める以外のメリット」が存在していることが、示唆されたということになる。そして、上記のことをキッカケとして、海外の人医療では、幹細胞を培養する過程を通らずに脂肪組織自体を再生医療に適した状態にして移植する手法が、リポジェム(LIPOGEMS)というシステムとして確立されつつある。さらに、リポジェムを小動物臨床へと応用するために、Lipocast Biotech UK社がLipogems® Canineを開発して、イギリスでリリース(サービスが開始)されている。

同製品は、麻酔下での脂肪組織の採取(整形外科を必要とする罹患犬から)~処理後の脂肪組織の移植までを40分未満で完了できるという利便性があり、重度の跛行を最短数日~10日程度で改善する効果があるとのことである。今後、獣医学における中~大規模臨床を経て、幹細胞に依存しないリポジェムシステムが多くの犬の整形外科疾患(組織再生を必要とする様々な分野の疾患が対象となれば理想的である)で有用性を立証され、動物病院の提案できる治療法・選択肢が一つ増えることに期待したい。

簡素化・時間短縮された再生医療が普及すれば、整形外科疾患の治療に留まらず、消炎鎮痛剤の副作用や麻酔リスクの軽減も実現すると思います。

簡素化・時間短縮された再生医療が普及すれば、整形外科疾患の治療に留まらず、消炎鎮痛剤の副作用や麻酔リスクの軽減も実現すると思います。

 

参考ページ:

http://www.lipogemscanine.com/home.html


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