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ノース・アメリカン・ウィペットにおける僧帽弁逆流症の実態を調査した研究

投稿者:武井 昭紘

犬の弁膜症(僧帽弁逆流症、MR)は、加齢に伴って罹患する可能性が高まる循環器疾患であり、臨床症状が出てしまうと、肺水腫、腹水などでQOLが悪化して斃死する場合もある。そのため、症状の進行を遅らせる内科治療(薬物、食餌など)またはトラブルの原因となる弁膜に対する外科手術で加療することが重要となる。また、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルなどでは若齢にして発症することが知られており、既存の品種の中に潜んでいるMRの好発犬種を正確に把握することが必要である。

そこで、イギリスの王立獣医科大学およびアメリカのウィスコンシン大学は、若齢期に心雑音を聴取されやすいノース・アメリカン・ウィペットにおけるMRの有病率に関する実態調査を行った。同研究では、2005~2009年の間にドックショーに参加した200匹のノース・アメリカン・ウィペットが対象となり、聴診による心雑音の有無(心基底部Lbase、心尖部Lapex)と心エコー図検査による逆流の確認(MRecho)が実施された。

すると、93%(185匹)からLbaseが、29%(57匹)からLapexでの収縮期雑音が聴取され、38%(76匹)でMRechoにて僧帽弁逆流が認められた。さらに、逆流の所見がある76匹の15%(12匹)は、2歳以下のウィペットであることが明らかとなっている。

上記のことから、ノース・アメリカン・ウィペットを診察する際に心雑音が確認された場合には、心エコー図検査でのモニタリング(定期健診)をペットオーナーに推奨することが大切であると考えられる。加えて、MRを抱える若齢のノース・アメリカン・ウィペットの経過および予後について臨床研究が進むことに期待したい。

各品種の若い犬が注意するべき疾患が一つでも多く解明されることは、健康診断(定期的な来院)の重要性をペットオーナーに認識してもらうための重要なキッカケの一つとなると思います。

各品種の若い犬が注意するべき疾患が一つでも多く解明されることは、健康診断(定期的な来院)の重要性をペットオーナーに認識してもらうための重要なキッカケの一つとなると思います。

 

参考ページ:

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1760273416300716?via%3Dihub


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