ニュース

アメリカの非営利団体が資金援助を決定した猫に関する11の研究リスト

投稿者:武井 昭紘

アメリカのニュージャージー州にある非営利団体Winn Feline Foundation(Winn)は1968年に設立され、猫に関する教育(啓蒙)、研究の発展を支援するために、世界各地30カ所以上の研究機関に寄付を続けている。そして、今年も、以下に記載する11の研究を対象として、20万ドル(約2240万円)を超える資金援助を行ったことを発表した。

<Winnがリストアップした11の猫に関する研究>
1.幹細胞を膵細胞(特にβ細胞の機能を発揮するもの)へと分化させることによる猫の糖尿病治療法の確立
2.猫の肝リピドーシスの治療法へと繋がる肝細胞培養手技の確立
3.猫のファモチジンに対する耐性の発現を遅延または抑制させるための研究
4.猫のトリコモナス症(Tritrichomonas foetus感染症)を制御するプロバイオティクスの開発
5.猫の脂肪組織由来幹細胞が有する抗炎症効果(T細胞の活性化および増殖作用)の解明
6.輸血に供する猫の赤血球の凍結保存法に関する研究
7.保護猫の里親となる自閉症児がいる家庭における児童への有益な影響と猫が受けるストレスの評価
8.完全室内飼育の猫の狩猟本能を満たすための行動学的および物理学的環境整備に関する研究
9.ウイルスの検出に依存しないFIP(猫伝染性腹膜炎)の診断を可能とする血漿中バイオマーカーの同定および解析
10.猫の肥大型心筋症の治療法を開発するための心筋細胞培養法の確立
11.猫のリンパ腫に対するワクチンの開発に繋がる
Felis catus gammaherpesvirus 1(猫科動物にリンパ腫を起こすウイルス)の研究

Winnが支援を決めた11の研究は、いずれも、罹患猫へ提案・提供することができる獣医療のレベルを飛躍的に向上させる可能性を感じ取れるものである。上記の研究が、より多く(1つでも多く)、良好な結果を得るとともに功績を残し、日本を含む世界中の猫の命を助けられる治療法が確実に築かれていくことに期待したい。

猫

海外の例に習って、日本でも、団体や組織が資金援助を積極的に行うことが実現すれば、小動物臨床の現状・常識を変えられる研究が数多く誕生するのではないでしょうか。

 

参考ページ:

http://www.winnfelinefoundation.org/home

http://www.winnfelinefoundation.org/docs/default-source/press-releases/2017-winn-grant-announcement–final.pdf?sfvrsn=0


コメントする