今年も7月に入り、梅雨が明ければ、夏を迎える。それに伴い、気温が上昇するため、犬の外耳炎(炎症・感染を伴う皮膚疾患)を診察する機会が増えると思われる。そして、外耳炎は原因は様々であるが、多くの犬種が罹患する可能性があり、外耳道洗浄および点耳薬を主として進められ、必要に応じて内服薬が使用されることが一般的である。この際に、洗浄・点耳処置を実施する場所を「動物病院(獣医師)とする」か「自宅(ペットオーナー)とする」かは、獣医師やペットオーナーの考え方や飼育環境により決定されることが多く、自宅が外耳炎治療の中心となる場合には、ペットオーナへの負担(生活リズムの変化)が生じることが推察できる。
そこで、イタリアの東ピエモンテ大学が「外耳炎を治療する場所」と「犬およびペットオーナーのQOL」との関連性について検証を行った。この研究には、外耳炎の犬50匹が参加して、無作為で1群25匹の2つのグル―プに分けられた(以下に各群の相違点および共通点を記載する)。
◆両群の相違点◆
1.グループA:動物病院にて獣医師が治療
2.グループB:自宅にてペットオーナーが治療
◆両群の共通点◆
1.週2回の耳洗浄
2.点耳薬としてオスルニア(エランコ社の製品一覧をご参照下さい)を使用
上記の2つの群は、治療前(治療開始0日目)、治療開始から7日後、14日後、28日後に獣医師によって「①外耳炎の経過」を、ペットオーナーによって「②痒みの程度」および「③犬とオーナー自身のQOL」が評価された。その結果、グループBに比較して、グループAの方が①、②、③いずれも有意に改善することが明らかとなった(ただし、28日目の③を除く)。
上記のことから、犬の外耳炎の治療は、動物病院にて獣医師が実施することが、経過を良好にするだけではなく、犬およびオーナーのQOLも改善(日常生活の負担軽減)することが示されたと考えられる。よって、ペットオーナーから愛犬の外耳炎について相談を受けた時には、手段(何で治療する?)を考えると同時に、場所(どこで治療する?)を慎重に検討することが良いかも知れない。

内科治療の効果を最大限に発揮させるためには、「治療の場所」を再検討(変更)することも良いかも知れません。
参考ページ:
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/vde.12433/abstract


