先月、イギリスのサリー州にあるFitzpatrick Referrals Oncology and Soft Tissue hospitalという動物病院が、画像下治療(インターベンショナルラジオロジー、Interventional Radiology、IVR)を専門とする獣医師による診療サービスの開始を発表した。
これは、「イギリス初」のIVR専門獣医師の誕生である。
IVRとは、開胸および開腹手術の大きな侵襲性というデメリットに伴う患者の負担を軽減するために開発された技術であり、生体内の出血点を特定する画像検査(人医療では交通事故や災害などで適応)をしながら即時に止血処置を行ったり、梗塞部位の血流を再開させる再灌流療法を最小限の術創で実施することができるものである。そして、獣医療分野では、以下に記載する治療(一例)にも応用されている。
◆小動物臨床におけるIVRの応用◆
1.ステント治療(尿道、尿管、血管、気管)
2.バルーン拡張術(尿道)
3.動脈塞栓術(腫瘍性疾患)
4.体腔内化学療法
5.動注化学療法(腫瘍の栄養血管にのみ化学療法剤を注入する)
6.シャント血管の整復術
7.尿路結石の破砕・除去
日本においても、IVRを実施している動物病院および大学はあるが、IVR専門医として地位を確立されている獣医師が存在している訳ではない。将来的には、イギリスのIVR専門医がモデルケースとなり、低侵襲性で早い回復が見込まれるIVRを専門とする動物病院が、日本の獣医療現場に誕生することに期待したい。

獣医療レベルの向上のために、IVR専門医のような特殊な分野に特化した獣医師が、世界各国で「初めて」誕生していくことを願っております。
参考ページ:
http://www.jsir.or.jp/shimin/what_ivr/(日本IVR学会)


