人医療における歯科処置は無麻酔または局所麻酔で実施される場合は多いと推察できるが、動物病院における犬猫の歯科処置は、原則的に全身麻酔が必要であるとされている(エキゾチック動物の歯切りであれば無麻酔で行うケースがあるかも知れない)。そのため、挿管をした状況下で、歯科治療をすることになり、スケーリングや分断抜歯などでは多量の水を使用するはずである。この際に、動物の体位に注意を払ったとしても、喉頭部(気管の手前)に水や細菌の塊である歯垢・歯石が貯まっていくことが、誤嚥リスクに繋がる場合がある。
そこで、アメリカのコロラド州にあるJorgensen Labs社は、動物の歯科処置用の誤嚥防止器具としてAspir-Guard™を販売している。この器具は、合成樹脂であるポリビニルアルコール (polyvinyl alcohol、PVA)を素材として製造されており、乾燥状態ではドーナツ型の形状を保持しているので、気管チューブを通せる穴がある(Aspir-Guard™の設置位置は挿管した気管チューブのカフの吻側である)。さらに、Aspir-Guard™は、歯科処置の進行に伴って水分を含み始めると「水和状態」となり、スポンジのような柔らかい性質に変化して、喉頭部に隙間なく密着してフタをする特徴がある(参考ページをご参照下さい)。
上記のことから、Aspir-Guard™を用いることで、歯科処置での誤嚥リスクは大幅に軽減されることが期待できる。そして、製品価格は2.39ドル(約270円)であり、非常に費用対効果が高い商品と言える。また、歯科処置を受ける動物の喉頭部付近にガーゼを詰める先生方もおられると思われるので、ガーゼの取り忘れなどの防止の意味も含めて、代用品としてAspir-Guard™を採用することで、歯科診療の安全性が向上されるのではないだろうか。

Aspir-Guard™は3種類のサイズがあるため、小型犬から大型犬まで幅広く対応できるかと思います。
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