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日本全国共通の犬用血液バンクを実現するヒントは海外にある?

投稿者:武井 昭紘

日本各地では、随時、ヒトの献血をお願いする活動が行われており、輸血を必要としている傷病を抱えているヒトや手術を控えているヒトに血液が提供できるようになっているため、小動物臨床においても、人医療と同様の献血・輸血の制度が望まれている。しかし、獣医療では、大学や動物病院が独自に実施している血液バンクがあるのみで、全国的に共通したバンクは存在していない。そこで、日本の本州と四国を併せたくらいの国土を持つイギリスにおける全国を網羅する血液バンクシステムを紹介したいと思う。

2007年に設立されたPet Blood Bank UK(PBB)は、イギリス全土に8000頭のドナーを抱えており、輸血を必要としている症例がいる動物病院に血液を提供している(緊急性がある場合のための電話番号も用意している)。また、PBBが提供するものは、血液だけではなく、輸血の判断をするための頬粘膜出血時間(Buccal Mucosal Bleeding Time;BMBT)などチェックする検査キットや血液を採取する医療機器も含まれており、輸血前の準備もサポートしている。さらに、輸血により救われた犬のケースリポート、ドナーとなった犬の紹介、ドナーから引退した犬への感謝文などを公開しており、ペットの輸血の重要性を認識してもらうための活動も積極的である。

上記のようなイギリスで実現している「広域の血液バンク」をお手本とすれば、日本全国共通の血液バンクを設立することは不可能ではないと考えられる。また、PBBはボランティアおよびチャリティーで成立している慈善団体であることから、日本のペット用血液バンクも大学や企業が主導するのではなく、慈善団体や非営利団体(NPO)が中心となって、システムを構築していくことが良いのかも知れない。

利益という観点ではなく、「使命」を持って血液バンクを組織化することで、システムの全国展開を目指すことも一つなのではないでしょうか。

利益(損益)という観点ではなく、「使命」を持って血液バンクを組織化することで、システムの全国展開を目指すことも一つなのではないでしょうか。

 

参考ページ:

https://www.petbloodbankuk.org


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