今回の記事を執筆している筆者は音楽が好きで、リラックスしたい時、集中したい時、発散したい時などにJ-POPの楽曲を聴くことが多い。おそらく、多くの人がジャンルは違えど、好きな音楽ジャンルを持っていると思うし、それによりストレスが軽減されたり、救われる気持ちになっているのではないだろうか。このことは犬でも同様であるとされており、特に犬にはクラシック音楽が良いと聞いたことがあるかも知れない。しかし、犬の場合、1週間もすれば、クラシックに飽きてしまうという報告もされている。
そこで、スコットランドのダンバートンシャーにあるAnimal Rescue and Rehoming Centre(救助した飼い主の居ない犬猫に里親を見つける施設)は、犬をリラックスさせる音楽ジャンルを特定する研究を行った。研究には38頭の犬が参加し、5つの異なるジャンルの音楽を聴かせて、ストレスレベルの観察および測定が実施された。以下に音楽のジャンルとモニタリング項目を示す。
◆犬に聴かせた音楽ジャンル◆
・ソフトロック
・モータウン(どんな音楽ジャンルかは「You Can`t Hurry Love」をご視聴下さい)
・レゲエ
・ポップ
・クラシック
◆ストレスレベルのモニタリング◆
・活動レベル(横になっているか、立って行動しているか)
・心拍数
・尿中コルチゾール:クレアチニン比(UCCR)
研究の結果、音楽のジャンルに関わらず、音楽を聴いている犬は横になっている時間が有意に増加していた。これに対して、心拍数は、ソフトロックおよびレゲエに比べて、モータウン、ポップ、クラシックでは有意に低下することが明らかとなった。また、UCCRは、ソフトロックを聴かせた時の数値が、音楽を聴いていないコントロール群に比較して、有意に上昇することも判明した。
上記のことから、モータウン、ポップ、クラシックが犬をリラックスさせるために適したジャンルと考えられる。ただし、前述したように、「同じジャンルは1週間で飽きる」ことから、定期的にジャンルを入れ替えて、犬を飽きさせない工夫が必要であると推測できる。ペットオーナーから犬のストレスコントロールに関して質問があった時は、スマートフォンやパソコンを持っているのであれば、YouTubeなどを使った「プライスレスであり簡便な行動学療法」が提案できると思う。

ヒトにも、犬にも、音楽で救われる瞬間があるのではないでしょうか。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28093218


