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Zoetis社が即効性の寄生虫駆除剤を猫の予防薬に導入

投稿者:武井 昭紘

東京では桜が咲き始め、狂犬病ワクチン、フィラリア予防、寄生虫予防などが最盛を迎え、獣医臨床現場は繁忙期に入った。予防薬として採用するまたは購入される薬剤は、動物病院の考え方により異なると思うが、ペットオーナーにも経済面や利便性を念頭に置いた考え方がある。特に、猫における予防医療は、複数の薬剤を使用することが困難なケースもあるため、一つの予防薬で多くの効果があるものが望まれることがある。

そのような予防薬の1つにZoetis社が販売しているレボリューションがある。そして、ヨーロッパでは、レボリューションと同成分の商品が、ストロングホールド(Stronghold)という名前で製品化されている。また、3月末の同社の発表によると、このストロングホールドに追加成分を配合して、新商品であるStronghold®Plusをリリースするとのことである。

Stronghold®Plusには、既存のセラメクチンに加えて、sarolaner(サロラナー)という成分が含まれている。犬におけるsarolanerの効果に関する研究では、投与後3時間でノミを、8時間でマダニを駆除することが可能で、その有効性が35日間継続(96.9%の駆除率)する特徴を持っており、以下に記載するマダニに有効であることが確認されている。

◆sarolanerで駆除できるマダニ◆

・クロアシマダニ(Ixodes scapularis
・ローンスターダニ(Amblyomma americanum
・メキシコ湾岸ダニ(Amblyomma maculatum
・アメリカイヌカクマダニ(Dermacentor variabilis
・クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus

 

レボリューションおよびストロングホールドの主成分であるセラメクチンは、マダニに効果が無いことが欠点であった。しかし、sarolanerが追加されることで、マダニ予防がカバーされることになる。今後、sarolanerが日本に分布するマダニにも有効であることが確認されれば、「レボリューションが進化する」かも知れない。これが実現すれば、日本における飼育頭数が犬に迫ってきている猫の予防医療が発展して、ダニ媒介性疾患の拡大も防げるのではないだろうか。

人気が高まる猫の予防医療は、今後の動物病院経営に大きな影響をもたらすかも知れません。

人気が高まる猫の予防医療は、今後の動物病院経営に大きな影響をもたらすかも知れません。

 

参考ページ:

http://zoetis.garnettkeeler.com/stronghold_plus/en/

https://www.zoetisus.com/products/dogs/simparica/index.aspx


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