基礎疾患(慢性腎臓病、甲状腺機能亢進症など)を抱えた猫において高血圧が生じた場合、循環器系、神経系、感覚器系(眼)などに影響を与え、一般状態が悪化することが多いため、血圧をコントロールする治療が重要となってくる。血圧を下げる効果を有する薬剤は様々であるが、Caチャネルブロッカーであるアムロジピンを選択される先生方は少なくないと思う。しかし、高血圧の猫にアムロジピンが奏功するかどうかは、個体により差がでることがある。
そこで、この個体差を生み出す要因を特定することを目的として、イギリスの王立獣医科大学が研究を行った。研究では、高血圧症のコントロールにアムロジピンを必要とする猫を対象としており、収縮期血圧(systolic blood pressure、SBP)を160 mmHg未満に維持するために、アムロジピンを0.625 mg/q24hを要する猫49例(0.625群)、1.25 mg/q24hを要する猫41例(1.25群)が参加した。両群における差異を決定する予測因子として、高血圧と診断された時のSBP(診断時SBP)および血漿中カリウム濃度(診断時K)、体重、血漿中アムロジピン濃度を挙げて、多変量解析を実施した。
その結果、0.625群(182 mmHg)に比較して、1.25群の診断時SBP(207 mmHg)は有意に高値を示すことが明らかとなった。また、診断時Kは、0.625群(4.1 mEq/L)に比較して、1.25群(3.8 mEq/L)で有意に低値であった。これに対して、両群の体重には有意差はなく、血漿中アムロジピン濃度はアムロジピンの投与量に相関している(個体による薬物代謝に差は無いことが示唆される)ことが判明した。
上記のことにより、診断時SBPおよび診断時Kは、アムロジピンの投与量の決定に重要なヒントを与えている可能性が考えられる。今後、研究が進み、アムロジピンの投与量の計算やアムロジピンが奏功または効かない症例の判別に、明確な判断基準が確率されることに期待したい。

一般身体検査や血液検査から薬剤の投与量を決定することが可能となれば、副作用が強くて治療をドロップアウトする症例を劇的に減らすことができるかも知れません。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5032874/


