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猫の変形性関節症に長期使用できる新たな薬剤に関する研究

投稿者:武井 昭紘

高齢の猫において、様々な疾患が問題となる場合がある。腎臓疾患、肝臓疾患、下部尿路疾患などが該当する。また、関節の疾患として、変形性関節症(DJD)を患う場合もある。

猫のDJDの治療にはメロキシカムなどのNSAIDと呼ばれる鎮痛薬が使われることが多い。しかし、長期にNSAIDを使用すると、腎障害を認めることがあるため、DJDの治療においてのデメリットとなってしまう。

そこで、新たな鎮痛薬を発見するための研究が行われた。注目された薬剤は、抗神経成長因子抗体である。この抗体は、ヒトおよびラットにおいて長期に渡る鎮痛効果を示すことが知られている。

研究には36匹の猫が参加した。研究対象とされた猫は、飼い主さんからの主訴(痛み)、運動器検査およびx線検査で2つ以上の関節にDJDを認めるまたは脊椎にDJDが見られること、猫のペインスケールで痛みを抱えていると確認された症例のみであった。猫のペインスケールとしては、feline musculoskeletal pain index (FMPI)およびclient-specific outcome measures (CSOM)が用いられた。また、血液検査、尿検査、T4検査が実施され、36例とも臨床上の異常がないことが確認されている。

薬剤は、猫の抗神経成長因子抗体であるNV-02が選択された。36例の猫を12例ずつ、3グループに分けて、プラセボ群、低用量NV-02群、高用量NV-02群とした。薬剤投与開始から9週間のモニタリングが行われ、投与36日後、56日後に痛みの評価(FMPI、CSOM)、血液検査、尿検査が実施された。

研究の結果、FMPIに関しては全ての群で有意差はなかったが、CSOMについてはプラセボ群とNV-02投与群(低用量、高用量)の間で有意な差が認められた。さらに、9週間のNV-02投与による有害事象(副作用)は見られなかった。

このことから、NV-02は、猫のDJDの治療薬として有用であることが明らかになり、副作用の発現もNSAIDより低いことが示唆された。

今後、研究が進み、NV-02が製剤化されれば、猫の疼痛管理は大きく変わるかも知れない。

高齢猫が副作用の心配なく傷みから開放されれば、猫も飼い主さんも幸せになれると思います。

高齢猫が副作用の心配なく傷みから開放されれば、猫も飼い主さんも幸せになれると思います。

 

参考ページ:

http://veterinarymedicine.dvm360.com/journal-scan-cats-with-chronic-djd-pain-rejoice


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