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猫伝染性腹膜炎の治療薬として期待されるGS-441524の剤型について考えた研究

投稿者:武井 昭紘

近年、様々な研究によって、GS-441524(新型コロナウイルス感染症の治療薬であるレムデシビルの代謝産物)と呼ばれる物質が猫伝染性腹膜炎の治療に有用だと言われるようになってきた。そのため、「当該疾患は致死的な感染症である」といった概念が一変しつつあるのだ。しかし、GS-441524を用いた治療には課題が残されているのが現状である。具体的には、同薬剤は①溶解性が低く、②生物学的利用率が悪いのだ。つまり、割の合わない高用量での投与が必要となってしまうのである。

 

冒頭のような背景の中、韓国の大学および研究所らは、GS-441524が抱えている課題を解決する研究を行った。なお、同研究では、GS-441524を③塩酸塩または④硫酸塩に変換し、①と②の克服を試みている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆GS-441524の剤型と①②との関連性◆
・④において①と②が改善した
・GS-441524を④にすると溶解性は58倍高くなった
・また血中濃度が3.8倍高くなった
・④をベースに作製した口腔内崩壊錠は7.7秒以内に水に溶けるようになった

 

上記のことから、④は①と②を克服した「扱いやすい薬剤」になり得ると考えられる。よって、今後、④を製品化する研究が進み、伝染性腹膜炎の猫の生存率を上げる治療方法が確立されることを期待している。

④の製品化は、罹患猫の福祉を向上すると思われます。

 

参考ページ:

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0378517325009032


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