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マダニ媒介のウイルス感染症SFTS 患者急増

投稿者:AsaT

マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の今年の患者が増え続けている。

記事によると、国立健康危機管理研究機構によると、過去最多だった2023年の134人を8月に上回り、9月21日時点で161人に達した。九州でも大分県が過去最多の13人になるなど各県で報告されているという。

致死率が10~30%と高く、今年も10人以上が亡くなっている。予防ワクチンがないだけに、市民生活のレベルで警戒を強めたい。SFTSは6~14日の潜伏期間の後、発熱や嘔吐(おうと)、下痢、意識障害などの症状が現れる。高齢者ほど症状が重くなりやすいという。

アレルギーの原因となる屋内のイエダニと異なり、マダニは野山や畑、草むらといった屋外に生息している。春から秋にかけて活発に動き、人間や動物にくっついて血を吸う際にウイルスを感染させる。体長は通常数ミリだが、血を吸うと大きくなる。秋本番を前に、マダニにはまだ油断ができない。

厚生労働省は、農作業や草むらでの活動では肌の露出を避けるなどの対策を忘れないよう注意を促している。  長袖シャツや長ズボンに加え、帽子や手袋も忘れずに着用したい。虫よけの薬剤も有効とされる。農作業などから帰宅したら、着衣や体にマダニが付いていないか、入念な点検を心がけたい。

SFTSは11年に中国で初めて報告され、東アジアや東南アジアでも患者が見つかっている。日本では13年に山口県の成人女性の感染が初めて報告された。以降、九州をはじめ西日本を中心に確認されてきた。今年は北海道や関東、中部地方でも報告されており、感染の広がりが顕著だ。

要因として、シカやイノシシといった野生動物にウイルスを持ったマダニが付着し、移動したことが考えられる。北海道は渡り鳥が運んだ可能性が指摘されている。加えて、ウイルスを持つ野生動物の生息域と人間の生活圏の境界が曖昧になってきた背景もあるようだ。マダニに直接かまれる以外にも、感染した人間や動物の血液を介して感染することもある。

ペットの犬や猫が感染し、そこから人間に感染するケースもある。今年は猫の治療に当たった獣医師が死亡した例も報告された。動物病院に体調の悪いペットを連れてくる飼い主にはSFTSに関する知識が乏しい場合もあろう。飼い主本人はもちろん、獣医師や病院スタッフの感染防止のためにも一段の注意喚起が求められる。

ウイルスや病原体が人間と動物の間で行き来する「人獣共通感染症」への対策が重要性を増している。国際的な課題でもある。

SFTSに対しても、正しい知識を社会で共有し、感染予防と発症者への適切な医療の提供が欠かせない。


https://www.nishinippon.co.jp/item/1407833/

< 2025/10/06 西日本新聞 >

マダニ媒介のウイルス感染症SFTS 患者急増(写真と記事は関係ありません)

 

 

 


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