本来ならば運動と適切な食事量でコントロールするものであろうが、人医療では、過剰に増えた体重を減らす治療薬、いわゆる抗肥満薬なるものが使用されている。そこで、疑問が浮かぶ。この薬は動物にも効くのだろうか。
冒頭のような背景の中、トルコの大学らは、①臨床上健康な、および、②肥満のゴールデンレトリバーを対象にして、抗肥満薬として注目を浴びているリラグルチドの効果を検証する研究を行った。なお、同研究では高齢の個体を対象しており、②に属するゴールデンレトリバーは充分な運動をせず、ヒトの食べ残しを与えられて肥満となった個体で構成されている。また、①と②には、1日に必要なエネルギーに相当するフードが研究期間中に給餌されており、②は③リラグルチドを投与するグループと④投与しないグループに分けられている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆肥満のゴールデンレトリバーに対するリラグルチドの効果◆
・③ではフード給餌から40日目(研究終了時点)までにBCSと体重が減少した
・しかし体重の減少率は④に比べて統計学的に有意ということはなかった
・③ではコレステロールとトリグリセリドの数値が有意に低下した。
・③では食餌量が減少し、食欲が低下する様子が見られた
よって、40日という研究期間では、リラグルチドの投与と肥満の犬の体重減少との関連性は乏しいと考えられる。だが、コレステロール、トリグリセリド、食餌量(食欲)の変化を考慮すると、同薬剤が全く効いていないとは言えないことも分かる。よって、今後、長期的な視点で追加の研究が進み、小動物臨床における肥満治療の幅が拡がることを期待している。

リラグルチドは、1.2mg/headで皮下注射されております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40436366/


