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北海道 家畜診療、勤務時間の3分の1は移動時間 働き方改革を助ける遠隔治療

投稿者:AsaT

テレビ北海道(TVh)で6月21日に放送した「けいナビ~応援!どさんこ経済~」では、北大の平本健太教授、TVh磯田彩実アナが『人手不足を遠隔技術で解決』というテーマでNOSAI北海道を訪れた事が紹介された。

記事によると、全国で主に家畜の診療を担っているのがNOSAI=農業共済組合に所属する獣医師だ。NOSAI北海道は道内に76の診療所を持ち、全道の家畜を診療している。NOSAI北海道家畜部の中尾茂部長に話を聞いた形だ。

平本教授「今日のテーマは人手不足ですが、北海道でも家畜の獣医師が足りていないらしいが」 中尾部長「全国的に不足している。というのも志す者がいない。年間約1000人が獣医師国家試験に合格するが、そのうち100人ほどしか全国で産業動物の獣医師の世界に進まない」 平本教授「供給量は少ないが北海道は酪農大国で需要はものすごくある。大きな需給バランスのアンバランスだ」

中尾部長「24時間緊急対応もあり、肉体的にも精神的にもきつい仕事。さらに基本的に往診しなければならない」 平本教授「馬は病院に通ってきてくれないか…」 磯田アナ「そんな人手不足に対して最新のテクノロジーを駆使してたトライアルをしていると聞きました」 中尾部長「昨年度より『アニマルック』というサービスを導入した。農家と双方向で画面越しに診療をする遠隔診療システムです」 江別のNOSAI北海道「獣医療研修センター」へと移動した。ここは医療機関でもあり、実際に病気やケガを負った動物で新人獣医師らが本格的な研修を行っている。こちらの事務所と牛舎をつなげてデモ診療をしてもらった。

まずは獣医師が農家に対し、牛の様子を細かくヒアリングする。その後、獣医師の指示で牛の全体像、さらには必要な部位をカメラを使って農家に撮影してもらう。 磯田アナ「見え方は肉眼とカメラを通して見るので違いはないですか」 獣医師「違いはないです。クリアに見えてますし、自分が見たい画面を農家さんに写してもらえるので」 遠隔診療を経て、もし必要であれば往診に向かう。以前はとりあえず現場に向かわなければならなかったが、いまは行かずに済ませられるケースも多いという。

磯田アナ「素人目にも便利だなという感じるが、改めて『アニマルック』のメリットは」 中尾部長「時間を短縮できる。遠方地だと片道1時間かかるケースもある。いまのように15分~30分で仕事が終わるとして我々も行って帰っての時間のロスを考えれば、他の診療や他の仕事ができることになる。双方にとってメリットが大きい」 平本教授「従来だと牛が具合悪くなるとまずは先生がそこまで行かなければならなかった。それが、まず行くべきか行かなくても大丈夫かという判断ができるし、結果として行かなければならない場合にも何を治療しに行くのかあらかじめ予測しながら行けるのも効果的な仕組みでは」

中尾部長「救急車の問題と一緒で、呼ぼうか迷った時の相談にもつながる」 獣医師の勤務時間の3分の1は移動時間だとも言われるなか、遠隔診療だと都市部での渋滞や冬の悪天候などの影響も受けずに済む。 中尾部長「常に往診しなければならないということになると農家側も常に待たせないといけなく、お互いにストレス。NOSAI北海道は「安心をもっと身近に」というテーマでこの遠隔診療を取り組んでいるが、それを実感していただけるのでは」

江別の小林牧場では去年12月から『アニマルック』を導入した。元々採用にはあまり乗り気でなかったが、今年3月までに30回ほど利用する中で気持ちに変化があったと言う。

小林牧場・小林紀彦社長「従来は電話口で『体調が悪い』と伝えても獣医師が診る体調の悪いとは微妙なニュアンスがやっぱり違う。映像を見て説明する方が楽。また、電話をかけてもすぐ来られるというわけじゃない。例えば、他に何かあってどこかに寄ってから来るとなると、正直来るまで1時間とかかかることもある。待っているより、ちょっと気がついたことがあればすぐ見せて、それでどうだろうかと話ができる。やっぱりやってみて良かった」

NOSAI北海道は『アニマルック』に加えて、あらかじめ予見薬(データなどを基に事前に準備する治療薬)を農家に常備しておいてもらう『カチクス』という取り組みも始めた。これは遠隔診療の流れで予見薬の使用までを指示する取り組みだ。 こういった一連の取り組みの背景には2023年の法改正で遠隔診療が保険適用となったこともある。遠隔診療ならば通常の往診料を支払う必要もないため農家側にとっても財政的な負担の軽減にもなる。ただ、導入事例はそこまで多くないのが課題だと言う。 磯田アナ「農家さん側がすぐに受け入れられない理由とは」

中尾部長「長いお付き合いをしていた農家にとっては『なんでビデオで話さないといけないんだ』という思いもあるのでは。そこをどう変えていくかだと思う。我々が変わっていくことで農家側にも違うアプローチができるのではないか」 平本教授「企業でデジタル技術などを導入するときに従業員の抵抗があるという話も聞く。『この新しい技術を入れるとここの部分がこんなに楽になるよ』というメリットがはっきり目に見える形で分かってもらえれば「それならやってみよう」ということになるはず。様々なメリットがあり、そのメリットを農家さんに腹落ちしてもらえれば、普及するのではないか」

取材を終えた平本教授は「こういう有効なシステムは、それを促進するような制度的なインセンティブを作っていく。これは行政がやるべき仕事だろう」と提言した。  また、番組では苫小牧の重機を札幌で操作する取り組みなども紹介した。

(2025年6月21日放送 テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より) ※番組は公式YouTubeチャンネル「TVh北海道ニュース」で配信中


https://nordot.app/1308697326702641800?c=113147194022725109

<2025/06/21 テレビ北海道>

北海道 家畜診療、勤務時間の3分の1は移動時間 働き方改革を助ける遠隔治療(写真と記事は関係ありません)

 

 


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