ニュース

猫の上気道疾患に対するマロピタントの効果を検証した研究

投稿者:武井 昭紘

中枢神経系に働きかけて嘔吐をコントロールするために開発されたマロピタントは、咳を抑える、いわゆる鎮咳薬として呼吸器疾患にも使用され始めている。そして現在、その延長線だろうか、鼻炎やアレルギー性の呼吸器疾患にも有効ではないかと言われるようになったのだ。実際、モルモット、ラット、フェレットを用いた研究によると、同薬は気道の炎症を軽減する効果を有することが示唆されたという。そこで、疑問が浮かぶ。マロピタントは、猫の上気道疾患にも何らかの効果を発揮するのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、アメリカとニュージーランドの大学らは、上気道疾患を発症した保護猫を対象にして、彼らの鼻腔内にマロピタントを投与する研究を行った。なお、同研究では、マロピタントクエン酸塩(10mg/mL)を生理食塩水で10倍に希釈して、12時間ごとに7日間投与している。すると、①マロピタント投与群34匹、②生理食塩水のみの投与群27匹のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。

◆猫の上気道疾患に対するマロピタントの効果◆
・①と②には年齢差、性差は無かった
・またマロピタント以外の処方薬にも治療前の重症度にも差は無かった
・投与開始から7日後における重症度にも差は無かった

 

上記のことから、マロピタントの鼻腔内投与は、猫の上気道疾患には効かないことが窺える。よって、今後、大規模な臨床研究の実施や投与経路・用量の改善が行われ、猫の上気道疾患に対するマロピタントの効果がより詳細に、明確になることを期待している。

結膜炎、眼瞼けいれん、眼の分泌物、鼻汁などによって重症度を判定しております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40008570/


コメントする