慢性腎臓病を発症した動物には、二次的に副甲状腺機能亢進症が起きることが知られている。そこで、疑問が浮かぶ。「急性」の腎障害でも、同様の現象が生じるのだろうか。
冒頭のような背景の中、イタリアの大学らは、①臨床上健康な犬、②急性腎障害の犬、③慢性腎臓病の犬を対象にして、副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone、PTH)の濃度を測定する研究を行った。すると、合計100匹以上のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。
◆①~③の副甲状腺ホルモンの濃度◆
・①に比べて②③のPTH濃度は有意に高かった
・②と③のPTH濃度に有意差は無かった
・②の約89%でPTH濃度の上昇が認められた
・②の病期分類(グレード)に応じてPTH濃度は上昇した
・②のPTH濃度はCREおよびP(リン酸)と正の相関関係にあった
・②のPTH濃度はイオン化Caとは負の相関関係にあった
上記のことから、急性腎障害の犬でも、PTH濃度が上昇することがあると言える。よって、今後、この現象の臨床的意義について研究が進み、治療の必要性が議論され、犬の泌尿器科診療が発展することを期待している。

②のPTH濃度は「総Ca濃度」と相関していないことも分かっております。この点は注意しましょう。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40005891/


