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ある手術の終了間近に気胸が起きたマルチーズの1例

投稿者:武井 昭紘

肝外の門脈-体循環シャントの外科的治療のために、2歳齢のマルチーズ(未去勢オス)に麻酔が掛けられた。麻酔プロトコルに特段の落ち度は無かったようであるが、手術がもうすぐ終わるという時に彼の呼吸数は増加し、酸素飽和度が低下した。一体、何が起こったのだろうか。

胸部X線検査で状況を確認する。すると、気胸が生じていることが発覚した。しかし、何故「そう」なったのかは不明だった。そのため、胸腔穿刺にて応急処置が講じられた。幸い、マルチーズの状態は回復し、麻酔から覚醒した。そして、手術から4日後には、無事退院となった。

症例を発表したのは、国立台湾大学。つまり、学生や獣医師の教育を目的とした施設だ。同大学は述べる。研修医と上級獣医師のコミュニケーションが不足していたと。また、経験不足が影響して、胸部超音波検査が活用できなかったと。加えて、訴える。気胸の原因は、手術中に横隔膜を傷付けたことによるのではないかと。よって、万が一、門脈-体循環シャントの手術にて同様のトラブルが起きた場合は、本症例を思い出して頂きたい。そして、横隔膜の損傷をしないように細心の注意を払って、手術を進めて頂けると幸いである。

本症例は、デクスメデトミジン、フェンタニル、プロポフォール、イソフルランで麻酔を掛けられております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39986924/


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