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顔面や四肢に麻痺、けいれん、嚥下困難を呈した12歳齢の猫を襲った悪性腫瘍

投稿者:武井 昭紘

12歳齢の猫(去勢オス)が、ドイツの動物病院を訪れた。症状は神経症状が主体で、ホルネル症候群、顔面神経麻痺、嚥下困難、歩行の異常を呈していた。これらの症状に対して適応された治療は、抗生剤とステロイド剤の投与であった。しかし、病状は悪化し、四肢の麻痺と「けいれん」までも発生してしまった。一体、彼の身に何が起こっているのだろうか。

CT検査とMRI検査の結果、頸動脈小体に腫瘤が見付かった。また、その腫瘤は頭蓋内にも侵入しているようで、脳の立体構造が変化する程の影響を及ぼしていた。予後は不良であると判定され、安楽死となった。病理組織検査(剖検)では、頸動脈小体を構成する細胞の腫瘍化が想定された。しかし、真実は意外なものであった。そこ(病変部)には、B細胞リンパ腫が広がっていた。

論文を発表したドイツのユストゥス・リービッヒ大学ギーセンは、猫の頸動脈小体腫瘍は稀であると述べる。ましてや、この小体にB細胞リンパ腫が発生した例の報告は今までに無いと訴える。一方で、例え稀な疾患であったとしても、鑑別リストから外さずに可能性を残すことが重要と付け加える。よって、類似の病態を有する猫に遭遇した場合は、本症例を参考にして頂けると有難い。

本症例は、咳と体重減少も呈していました。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39959138/


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