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食餌療法と抗生剤療法に失敗した慢性腸症の犬に対する家禽の羽毛タンパク質の効果

投稿者:武井 昭紘

慢性腸症を発症した犬の治療には、療法食、抗生剤、ステロイド剤などが使用される。しかし、これらの治療が常に成功するという保証は無く、経過が芳しくない症例が存在することが現状なのだ。そのため、より効果的な治療法が求められているのである。また、その治療法が有害事象の発生が少ないものであれば、それに越したことはないのだ。

 

冒頭のような背景の中、欧米の大学および動物病院らは、2週間以上に渡る食餌療法や抗生剤療法が奏効しなかった慢性腸症の犬を対象にして、最大10週間の食餌療法の効果を検証する研究を行った。なお、同研究に採用された療法食は、家禽の羽毛を構成するタンパク質(ケラチン)をオリゴペプチドまたはアミノ酸のレベルにまで分解したものである。また、症例にはまず2週間の食餌療法が適応され(ステージ1)、その後に実施される病理組織検査(胃および腸の生検サンプルを内視鏡で採取)で慢性腸症の所見が以前として残る症例に限り、追加で8週間の食餌療法が適応されている(ステージ2)。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆家禽の羽毛タンパク質が配合された療法食の効果◆
・15例が研究に参加した
・13例がステージ2に移行した
・ステージ2の途中で2例が脱落した
・CIBDAIのスコアが経時的に減少していった
・糞便スコアも経時的に改善した

 

上記のことから、治療プロトコルから脱落する症例が居るものの、全体的に良好な経過となることが窺える。よって、今後、成功する確率の高い食餌療法について議論され、有害事象の発生が否定できない抗生剤療法やステロイド剤療法を回避できる慢性腸症の犬が増えていくことを期待している。

研究に参加した症例には、食餌療法開始前にフェンベンダゾール(50mg/kg q24h PO 5days)が投与されております。また、同研究では、食餌療法開始前の30日間においてステロイド剤を投与された犬、フレーバー付きの薬剤やサプリメントの使用が中止できない犬は対象外となっております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39955592/


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