ニュース

NEW 海外 学術・学会 臨床

犬の鼻腔内腫瘍に対する内視鏡を用いた緩和療法の効果を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

悪性腫瘍を抱えている動物の寛解が望めない時、そして、既存の治療法が奏効しない時、選択肢の一つに緩和療法が挙がってくる。つまり、如何に彼らから苦しみを取り除き、病気は治らずとも幸せに生きる時間を引き延ばすかについて検討されるのだ。読者の皆様は、どのような緩和療法が頭に思いつくだろうか、また、それを実践したことがあるだろうか。本稿では、参考にして頂きたいイタリアはボローニャの動物病院による研究を紹介する。なお、詳細は以下の通りである。

 

◆犬の鼻腔内腫瘍に対する内視鏡を用いた緩和療法の効果◆
・鼻腔内に悪性腫瘍がある犬35匹を対象にした
・80%の症例が既存の治療法に反応しなかった
・約半数の症例が3ヶ月以上続く臨床症状をていしていた
・片側性の鼻汁が最も多い症状であった
・緩和療法として内視鏡による腫瘍除去術を採用した
・除去に使用する機器は鉗子またはレーザーであった
・43%の症例では鼻腔内に腫瘍が存在していた
・57%の症例では鼻腔内と鼻咽頭に腫瘍が存在していた
・全ての症例が術後3ヶ月、83%の症例が6ヶ月、43%の症例が12か月まで生存した
・3ヶ月の時点で91%、6ヶ月で72%、12ヶ月で40%の症例のQoLが良好であった
・術中と術後に重大な合併症は起きなかった
・生存期間の平均は336日(58~676日)であった
・1年間の生存率が43%であった

 

上記のことから、内視鏡を用いた緩和療法の有用性は高く、罹患犬のQOLを向上する効果を発揮すると言える。よって、鼻腔内腫瘍の犬の治療方針について悩むオーナーや獣医師は、同治療法を検討してみると良いかも知れない。

本研究では、ダイオードレーザーが使用されております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39898163/


コメントする