予防や治療について獣医師が説明をした時、オーナーが「それ」を受け入れるか否かを決める要因の一つに「信頼度」がある。オーナーが獣医師をどれ程に信頼しているのか。その度合いが予防や治療の方針に影響するのだ。では実際のところ、信頼度はオーナーの方針や行動に、どのように関与しているのだろうか。
冒頭のような背景の中、テキサスA&M大学は犬猫のオーナー4800名以上を対象にし、獣医師への信頼度とワクチン接種に関する行動を調べる研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかなったという。
◆犬猫のオーナーの獣医師に対する信頼度とワクチン接種に関する行動◆
・犬のオーナー(①)の約63%が獣医師を信頼していた
・猫のオーナー(②)の約61%が獣医師を信頼していた
・情報源は下記の通りである
1.獣医師
2.インターネット
3.公的機関
4.ソーシャルメディア
5.セカンドオピニオン
6.自分以外のオーナー
7.友達や家族
8.テレビ、ラジオ、本、雑誌
9.その他
・①は2.5個の情報源を参照していた
・②は2.27個の情報源を参照していた
・信頼度が高い①の約85%は獣医師を1番の情報源としていた
・信頼度が低い①ではその割合が約63%に下がった
・信頼度が高い②の約84%は獣医師を1番の情報源としていた
・信頼度が低い②ではその割合が約56%に下がった
・獣医師への信頼度は情報源の数と関連していなかった
・信頼度が高いオーナーはワクチンに関する情報を探す傾向が強かった
・獣医師への信頼度の高さはワクチンを接種する確率(犬も猫も)を上げた
・オーナーと獣医師の付き合いが長いこと(1年以上)はワクチンを接種する確率を上げた
・情報を探す行為は猫がワクチンを接種する確率を上げた
・しかしインターネットを情報源にすると接種する確率が下がった
上記のことから、獣医師に対する信頼度とワクチン接種に関する行動は関連性があると言える。よって、特に初診の方、初めて子犬・子猫を飼う方(付き合いは1年未満であろう)、インターネット上の情報を強く信じている方へ向けてワクチン接種について説明をする場合は、信頼を勝ち取るコミュニケーションをし、姿勢を示すことが重要だと思われる。

①は2853名、②は1977名で構成されております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39892405/


