何らかの理由で血液が採取できない時、または、採血や保定が強いストレスとなってしまう時、血液検査は非常に難しくなる。また、医療機器が不足する災害時も同様だ。そこで、血液サンプルの代わりになるものが唾液である。唾液の採取は、針や注射器を使用する採血よりも効率的で、経済的で、非侵襲的なのだ。そのため、近年、様々な臨床検査データを唾液サンプルを用いて得ようとする研究が進んでいる。そこで、本稿では、研究の一端を紹介したいと思う。以下が概要である。
◆唾液サンプルを用いてFIV検査キットの精度を算出した研究◆
・オーストラリアの診療施設とシェルターの協力で猫を募集した
・380匹以上が研究に参加した
・Anigen Rapid®という検査キットを採用した
・血液サンプルを用いた時のFIV陽性率は約13%であった
・これを基に唾液サンプルでの検査精度を算出すると感度約84%、特異度100%であった
上記のことから、①唾液サンプルによるFIV検査は②血液による検査の代替になり得ることが窺える。また、研究を発表したシドニー大学らは、FIVのワクチンプログラムの管理やシェルターでの感染症管理において②よりも①の方が簡便(安価)であり低侵襲だと述べる。よって、今後、①に関するガイドラインが作成され、猫にもヒトにも優しいFIV検査が実現することを期待している。

本研究には、臨床上健康な猫と何らかの病気にかかっている猫の双方が含まれております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39852909/


