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消化器疾患や皮膚疾患を抱える猫の行動変化について調べた研究

投稿者:武井 昭紘

お腹が痛い、皮膚が痒いetc。

読者の皆様も経験があるかも知れないが、何らかの不調を感じている時、その不調が行動に影響することがある。具体的には、お腹が痛ければ動きたくなくなるだろうし、皮膚が痒ければ集中力が切れたりイライラするだろう。そこで、疑問が浮かぶ。消化器疾患や皮膚疾患を抱えるペットでは、行動変化は起きるのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、ペンシルバニア大学は、同大学付属動物病院の診療記録から①臨床上健康な猫、②炎症性の消化器疾患の猫、③皮膚疾患の猫を抽出し、彼らの行動について調べる研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆消化器疾患や皮膚疾患を抱える猫の行動変化◆
・①に比べて②③では喉を鳴らす行動が増えた
・①に比べて②③では簡単な指示に従いオーナーの言うことに注意を払う行動が増えた
・①に比べて②③ではヒトとの交流をする行動が増えた
・総じて②③では世話を求めたり注意を引く行動が増えたようであった
・①に比べて②では過剰なグルーミングが増えた
・①に比べて②では見慣れない物への恐怖心が増した
・総じて②では不安に起因する行動が増えたようであった
・ステロイド剤を投与された猫では分離不安や過剰なグルーミングが目立った(①やステロイド剤を投与されていない猫との比較)

 

上記のことから、消化器疾患や皮膚疾患を抱える猫では行動変化が起きることが窺える。また、ステロイド剤を投与すると、不安行動が増えることも分かる。よって、該当する行動変化を診察(問診)で聴取した場合は、鑑別リストに消化器疾患と皮膚疾患を追加し、ステロイド剤の使用について慎重に検討することをお薦めする。

診療記録は2023年3月~5月のもので、①は58匹、②は22匹、③は17匹で構成されております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39808933/


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