不妊手術を無事に終えた犬猫の管理において、重要なことがある。それは、術野を衛生的に保つことである。特に、傷口を気にして犬猫が術野を舐めてしまうと、縫合糸が取れて裂開する可能性が生じるのである。そのため、①エリザベスカラーや②腹帯を利用して、物理的に術野を舐められない状況を作る必要があるのだ。そこで、疑問が浮かぶ。①と②のどちらが、より効果的なのだろうか。
冒頭のような背景の中、トルコの大学は、臨床上健康で、且つ、不妊手術を受けた猫26匹を対象にして、彼らの術後管理に①または②を適応する研究を行った。なお、同研究では、①または②を着用した猫の疼痛レベル(Composite Measure Pain Scale-Feline、Multidimensional Pain Scale)と不快感(コルチゾール濃度、行動観察)が評価されている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆不妊手術を受けた猫の術後管理としての①と②の効果◆
・①②ともに13匹で構成された
・疼痛スケールのスコアは①と②で差異は無かった
・緊急で鎮痛剤を使用する頻度にも差異は無かった(①で17回、②で16回)
・コルチゾール濃度にも差異は無かった
・①に属する猫の75%以上でカラーを外そうとする行為や頭を振る行為が認められた
・②では不快感を示す行動が確認されなかった
上記のことから、疼痛レベルやコルチゾール濃度に差異は無いものの、②に比べて①において不快感が増すことが示唆された。よって、①と②のどちらも選択肢として挙がる場合は、②を第一に検討することが望ましいかも知れない。

術式は腹部正中切開であったとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39792077/


