犬猫によく見られる歯科疾患の予防にデンタルケア製品は欠かせない。そのため、日々、製品の有効性を検証する多くの研究が進んでいる。しかし、これらの研究に欠けている視点があるのだ。具体的には、検証するデンタルケアの効果を明確するべく、試験に臨む動物の口腔内環境をリセットする目的で事前にスケーリングが行われることが通例になっているのである。つまり、この事前のスケーリングが、研究で検証されるデンタルケアと、一般家庭で実践されるデンタルケアとを乖離させてしまっているのだ。一般家庭でデンタルケアを始める時、必ずしも事前にスケーリングをしないのである。果たして、現在、歯科疾患の予防に有効だとされるデンタルケア製品は、「本当に」効果があると言えるのだろうか。
冒頭のような背景の中、欧米の大学らは、6種類のデンタルケアの「本当の」効果を検証する研究を行った。なお、同研究に採用されたデンタルケアは①歯磨き(2日に1回、歯磨き粉使用)、②デンタルガム(1日1回)、③飲み水に添加するタイプのデンタルケア製品、④週1回の歯磨きと②、⑤週1回の歯磨きと③、⑥②と③である。また、研究に参加した動物は犬であり、何れの個体も事前に歯科処置は受けているとのことだ。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆スケーリングを受けていない犬に対するデンタルケアの効果◆
・物理的な力が歯に加わる①と②を適応した犬の歯では沈着物が減少した
・⑤または⑥を適応した犬の歯周組織の健康状態が改善した
上記のことから、①や②をベースとしたデンタルケアには一定の効果があると考えられる。よって、デンタルケアを犬のオーナーに推奨する場合は、第一に①②を提案し、経済的余裕とモチベーションがある状況では⑤⑥に挑戦してもらうことが望ましいと思われる。

本研究では、①〜⑥を適応した犬の歯と、①〜⑥の何れもしていない犬の歯(コントロール群)が比較されております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39587858/


