何らかの理由で正常な分娩が難しいと判断された妊娠している犬猫には、帝王切開が適応される。そして、この時に焦点となることが麻酔である。多かれ少なかれ、麻酔が母体と胎児に影響を与える。つまり、彼らの生死に関わっているのだ。果たして、その影響とはどれ程に大きいものなのだろうか。
冒頭のような背景の中、ボローニャ大学は、犬に比べて帝王切開時の麻酔プロトコルが乏しい猫に着目して、使用された麻酔薬と胎児(子猫)の転帰を調べる研究を行った。なお、同研究では、麻酔導入薬としてプロポフォールまたはアルファキサロン、吸入麻酔薬としてイソフルランが使用された帝王切開が対象になっている。すると、母体として14例のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。
◆猫の帝王切開において使用された麻酔薬と子猫の生存率◆
・6例でプロポフォールが使用された(①)
・8例でアルファキサロンが使用された(②)
・①から20匹の子猫が産まれた(③)
・②から30匹の子猫が産まれた(④)
・子猫全体で生存率は90%であった
・③の取り上げた時の生存率は80%であった(16匹生存、⑤)
・④の取り上げた時の生存率は約97%であった(29匹生存、⑥)
・⑤の約88%(14匹)が24時間生存した
・⑥の約93%(27匹)が24時間生存した
・2種類の麻酔導入薬に優劣は付かなかった
上記のことから、どちらの麻酔導入薬を使用しても子猫の生存率を左右しないことが窺える。よって、猫の帝王切開に臨む際は、使い慣れた導入薬を選択することをお薦めする。

帝王切開は、ボローニャ大学付属動物病院で過去9年間(2014年1月~2022年12月)に実施されました。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39560346/


