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充分に食餌が摂れていない犬猫に栄養チューブを設置する時期に関する研究

投稿者:武井 昭紘

栄養チューブを使用するか否か。食欲が安定していない、あるいは、食餌が充分に摂れていないペットを前に思う。そして、栄養チューブの設置方法について悩む。鼻から、食道から、胃から。どれがベストだろうか。無論、必要な処置ならば早い方が良いだろうか。そこで、疑問が浮かぶ。栄養チューブを使用するまでに要する時間を左右しているファクターとは何であろうか。それを知ることが叶えば、迅速な判断が下せるかも知れない。

 

冒頭のような背景の中、アメリカの大学および動物病院グループらは、過去10年間(2014年1月~2023年12月)において大学付属動物病院のICUに入院し、その際に充分な食餌が摂れていない犬猫を対象にして、彼らの診療記録を解析する研究を行った。なお、同研究には、経鼻または経食道チューブが設置された症例が参加している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆充分な食餌が摂れていない犬猫と栄養チューブ◆
・295例(犬206匹、猫89匹)のデータが集積された
・栄養チューブを設置する前の入院期間は中央値で2日であった(0~17日)
・この期間は犬に比べて猫で短かった
・「週末の入院」と「最初の栄養チューブの設置で経食道を選択すること」は入院から設置までの期間の延長に関連していた
・適切な食餌管理がなされたのは母集団の18%のみであった
・この18%ではカロリー摂取量が記録される可能性が高かった(約10倍)
・また栄養チューブの設置時期が早まる特徴があった

 

上記のことから、入院時期(週末)、経食道チューブの設置、徹底した食餌管理がファクターになっていることが窺える。よって、栄養チューブの設置に迅速な判断を下すためには、忙しい週末の診療業務でのスタッフ間の連携を強化し、経食道チューブの設置技術を習熟し、入院症例の食餌管理に厳しくなることが望ましいと思われる。

「平日の入院」と「最初の栄養チューブの設置で経鼻を選択すること」は設置までの期間を短くするので、経食道チューブの設置に慣れていない場合は経鼻チューブを検討してみましょう。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39549414/


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