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試験開腹に臨んだ6ヶ月齢の子猫に起きた急性腎障害と高カリウム血症

投稿者:武井 昭紘

生後6ヶ月の子猫(未去勢オス)が試験開腹に臨んだ。無論、試験開腹であるから麻酔処置も行った。全身麻酔だ。術前の検査では、CREもKも正常であった。しかし、手術の最中に異変が生じた。心房細動に陥ったのである。更に、血液検査にて急性腎障害と高カリウム血症が発覚した。果たして、彼の身に一体何が起きたのだろうか。

集中的な治療によって緊急事態から免れた。手術から24時間後、急性腎障害と高カリウム血症は解消した。心当たりがあるとすれば、麻酔導入薬であった。プロポフォールが使用されていたのだ。犬では、同薬剤の使用によって横紋筋が融解して一連の症状が発現する現象が報告されているようであった。

症例を発表したアメリカの動物病院らは、麻酔トラブルにおいて、プロポフォールによる横紋筋融解と不整脈、心停止、腎障害の鑑別を念頭に置くべきだと訴える。アルファキサロンに置き換わった動物病院が多いと推察するが、もしもプロポフォールを使用して麻酔処置を行う場合は、そして、その際にトラブルが起きた場合は、横紋筋融解という病的現象を思い出して頂けると幸いである。

症例を発表したアメリカの動物病院らによると、猫での報告は初めてだとのことです。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2024.1398128/full


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