一般家庭で飾られることのあるユリを含めた一部の植物は、猫にとって有害である。そのため、猫を飼育する世帯では、彼らと有害な植物の接触を避けなければならないのだ。しかし、両者が同じ空間にあって完全に接触を回避することは困難を極める。つまり、猫のユリの接触は今後も発生し得るのである。ならば、知らなければならない。ユリに接触した猫の転帰を。そして、どのような治療が有効で、あるいは、無効なのかを。
冒頭のような背景の中、ペンシルバニア大学は、ユリと接触した猫110匹以上の診療記録を解析する研究を行った。なお、同研究では、急性腎障害の有無、①入院と②通院治療の有効性、転帰に着目している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆ユリに接触して入院または外来で治療を受けた猫の急性腎障害と転帰◆
・①に属する猫の約47%で急性腎障害が発生した(③)
・②に属する猫の約44%で急性腎障害が発生した(④)
・両者に有意差は無かった
・③の60%では急性腎障害のグレードが変わらない、あるいは、改善した
・④の約57%では急性腎障害のグレードが変わらない、あるいは、改善した
・②(約87%)に比べて①(100%)の生存率は有意に高かった
上記のことから、①と②の選択で急性腎障害の有病率と転帰は大きく変わらないと言える。しかし一方で、生存率には有意差があることが分かる。よって、この生存率を可能な限り高めたいとオーナーが希望する場合は、①を強く薦めることが望ましいと思われる。

生存率の算出におきましては、病気で死亡した個体と安楽死された個体が考慮されております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39419082/


