高齢期にみられる骨格筋量や身体機能(歩くスピードなど)の低下、いわゆる①サルコペニアと、②肥満は歳を重ねた犬猫に良く見られる現象である。そのため、いつ頃から①や②に気を付けるべきかを知ることは、ペットの福祉向上にとって重要なことである。果たして、彼らの体重や脂肪はどのように増減しているのだろうか。
冒頭のような背景の中、アメリカのヒルズ社らは18年間(2006年〜2023年)に渡って、2300匹以上の犬猫の除脂肪体重と脂肪量を二重エネルギーX線吸収測定法(dual energy x-ray absorptiometry、DXA)で数値化し、経時的に追跡する研究を行った。なお、年齢によるグループ分けは1年を10等分した期間ごとになされ、各グループの平均値が算出されている。すると、13000件以上のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。
◆年齢とともに変化する犬猫の除脂肪体重と脂肪量◆
・犬の年齢の幅は1〜16.1歳であった
・猫は1〜16.9歳であった
・犬の除脂肪体重は幼少期から増加した
・その後6.3歳でピークに達した
・ピーク後は次第に減少していった
・猫の除脂肪体重は4.5歳でピークに達した
・その後12.5歳まで次第に減少した
・12.5歳を過ぎると急激に減少した
・犬の脂肪量は9.3歳をピークに次第に増加した
・その後は減少に転じた
・猫では7.5歳をピークに増加した
・その後は減少に転じた
上記のことから、除脂肪体重の減少は若齢から中齢より始まり、おそらく読者の皆様の想像よりも早くサルコペニアが起きていることが窺える。また、除脂肪体重の減少時期の3年後まで脂肪量のは増加しており、中高齢のペットの肥満リスクは上がっていると推察できる。よって、本研究で発表された除脂肪体重と脂肪量の変動を基に、飼われているペットや診察を担当しているペットの体重管理(栄養管理)をして頂けると有り難い。

犬は1273匹、猫は1096匹が研究に参加しております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39393400/


