犬猫が子どもの時に他者と交流して付き合い方を学ぶ社会化は、その後の生活において重要だと言われている。そこで、疑問が浮かぶ。この社会化をしないことで、どのような支障が生じるのだろうか。無論、ヒトとの共同生活を送る際に困ることはあるだろうが、その他にもあるのだろうか。
冒頭のような背景の中、アメリカの大学らは、国内(テネシー州)のシェルター出身の猫80匹以上を対象にして、彼らの①社会化レベルと②問題解決能力との関連性を調べる研究を行った。なお、本研究では、①を下記の4段階でチェックしている。また、②は、透明なプラスチック製のボックスを上下に仕切る板の上に置かれたオヤツを入手する方法を観察することで評価している。
◆社会化レベルの評価◆
1.ヒトがケージに近づいた時の行動(威嚇するか)
2.ケージの扉が開いてヒトの手が近付いてきた時の行動(交流が避けられない状況での反応)
3.「背中を掻くための棒」で撫でられた時の行動(優しい接触に対する反応と拘束に対する感受性)
4.猫をケージから出して別の猫のケージ前に持っていった時の反応(1~3の反応が曖昧だった個体のみ)
すると、社会化レベルが高い猫ほどボックスに早く近づき、問題を解決する可能性が高く、その時間が短いことが判明したという。
上記のことから、猫の社会化は、問題解決能力を高める効果があると言える。つまり、日常生活で直面する問題を工夫をして乗り切る力が、社会化することで獲得できることが窺える。よって、これから猫を飼い始める家庭では彼らの社会化レベルを念頭に置くことをお薦めする。また、保護猫の社会化を促進することは、里親の下での生活を円滑する鍵になるのかも知れない。

研究に参加した猫は1~10歳齢までと幅広く、若い猫の方が問題解決能力が高かったようです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39272389/


