消化器気腫は文字通り、消化管の壁にガスが貯留する病的現象で、感染や粘膜の亀裂から消化器管壁にガスが発生・侵入することで生じるとされている。では、実際のところ、どのような疾患あるいは症例で発見されることが多いのだろうか。
冒頭のような背景の中、欧米の大学および動物病院らは、高次診療施設にて消化器気腫と診断された犬猫30例の診療記録を解析する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆消化管気腫の犬猫の臨床的特徴◆
・約63%の症例で胃に気腫が起きていた
・次いで結腸(27%)、小腸(約7%)に多かった
・1例では胃と結腸の両方に気腫が認められた
・気腫とともに診断された病名は下記が一般的であった
1.胃拡張・胃捻転症候群(約17%)
2.急性出血性下痢症候群(約13%)
3.潰瘍(約13%、①)
・①の75%にはステロイドやNSAIDの投与歴があった
・これらの症例は嘔吐と下痢を呈していた
・母集団の20%には開腹手術が適応されていた(②)
・②の20%、1例のみが生存して無事退院した
・母集団の80%には内科治療が適応された(③)
・③の約54%、13例が生存して無事退院した
・母集団の生存率は約47%であった
上記のことから、消化管気腫が併発しやすい疾患があることが窺える。また、約半分の症例は亡くなってしまうことも分かる。よって、今後、消化管気腫の発生メカニズムを突き止めるべく、胃拡張・胃捻転症候群、急性出血性下痢症候群、潰瘍を抱える犬の消化管壁を詳細に解析する研究が進み、消化管気腫の予防法や生存率を上げる治療法が考案されることを期待している。

大学らは、消化管気腫だけを理由にして開腹手術をすることは推奨しておりません。当該疾患と併発する何らかの消化器疾患において、手術の必要性を検討するべきだとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39185778/


