小動物臨床において、内視鏡検査には麻酔処置が必須である。しかし、動物のストレスを軽減し、侵襲性を低く保つ近年の獣医学の在り方からすると、麻酔処置を伴った内視鏡検査は負荷が大きいと言えるかも知れない。一方、話は変わるが、人医療ではカプセル型のビデオカメラを従来の内視鏡検査の代替にする動きがみられている。そこで、疑問が浮かぶ。このカプセル型は動物にも有用であろうか。
冒頭のような背景の中、北欧およびカナダの大学らは、①慢性腸症の犬15匹と②臨床上健康な犬15匹にカプセル型のビデオカメラを飲ませ、消化管内を観察する研究を行った。なお、同研究では、カプセルの投与前16時間と投与後8時間において犬は絶食している。また、②は①の品種、年齢、体重に近い個体が選ばれている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆観察結果◆
・①の平均年齢は3.3歳、②は4.7歳であった
・①の平均体重は25.9kg、②は29kgであった
・全ての犬から消化管内の画像が取得できた
・全ての犬で合併症が起きなかった
・異常所見の重症度と範囲において両群に有意差はなかった
上記のことから、カプセル型のビデオカメラは内視鏡の代わりになることが窺える(①と②の所見に差が無いことから慢性腸症を疑う異常所見の見直しを要する)。よって、今後、麻酔リスクが高い症例やオーナーが麻酔に対して不安を訴えるケースを中心に、カプセル型のビデオカメラによる検査が普及することを期待している。

異常所見には粘膜の不正、紅斑、びらん(非出血性、出血性)、リンパ管拡張などが含まれています。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39180366/


