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片側椎弓切除術を受けた犬の中殿筋と外側広筋の筋電図を記録した研究

投稿者:武井 昭紘

椎間板ヘルニアによって圧迫された脊髄は通常の機能を障害される。そのため、四肢に麻痺や反射の異常が出現するのだ。また、ヘルニアの手術をした結果、脊髄の圧迫が解除され麻痺や反射の異常が消失する希望が持てるのである。そこで、疑問が浮かぶ。手術後に歩行が可能となった犬の四肢の、あるいは、歩行に関与する筋肉は、臨床上健康な犬のそれと同じレベルに回復しているのだろうか。それとも、何らかの相違点があるのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、フロリダ大学は、軟骨異栄養犬種の小型犬であり、且つ、1ヶ月前にT3-L3領域の椎間板ヘルニアに対する手術(片側椎弓切除術)を受けて後肢麻痺から回復した犬7匹を対象にして、彼らの外側広筋と中殿筋の筋電図を記録する研究を行った。なお、同研究では、滑り止めのある通路を10フィート歩いている間の筋電図が採用されている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆片側椎弓切除手術を受けた犬の中殿筋と外側広筋の筋電図◆
・①臨床上健康な犬に比べて②手術を受けた犬の筋肉の活性は有意に高かった
・②において左右の筋肉の活性には有意差があった
・手術部位と同側の筋肉の活性は反対側と比べて有意に低かった
・一方①では有意差は無かった

 

上記のことから、手術を受けた犬の中殿筋と外側広筋は健康な犬のそれと異なる活性を有していることが窺える。よって、今後、椎間板ヘルニアの犬の麻痺が回復して歩行可能になる際の筋肉の活動について詳細に解析され、当該疾患の診断、治療方針の決定、予後の判定に利用されるようになることを期待している。

大学は、手術を受けた犬の後肢ではUMNの兆候がみられている(筋肉の動きを抑制する力が無く活動が亢進している)と述べています。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2024.1431843/full


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