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不妊手術を受けた猫の術野(切開した皮膚)にインスリンを塗布した研究

投稿者:武井 昭紘

人医療において、インスリンを創傷部位に塗布すると治癒速度が向上すると言われている。驚くべきことに、インスリンは創傷治癒に関与する酵素の発現をアップレギュレートし、活性化も促進するようのである。そこで、疑問が浮かぶ。このインスリンの作用は、犬や猫にも通じるのだろうか。

冒頭のような背景の中、欧米の大学らは不妊手術を受けた猫60匹を対象にして、切開した皮膚の治癒に対するインスリンの効果を検証する研究を行った。なお、同研究では、同一個体の縫合された皮膚を①インスリン塗布エリアと②コントロールエリアの2つに分け、①には同薬剤を24時間ごとに8日間塗布している。また、塗布開始から2日後および8日後において、皮膚の治癒過程をスケールで評価しスコア化している。すると、統計学的な有意差を見出せなかったものの、①の全例で完全に切開部位が治癒しているのに対して、②では完全な治癒には至っていないことが判明したという。一方で、塗布開始から8日後のスコアには有意差が認められたとのことである。

上記のことから、切開した皮膚にインスリンを塗布すると治癒速度が向上することが窺える。よって、今後、様々な外科手術や皮膚欠損の治療にインスリンを応用するための研究が進み、小動物臨床における創傷治療が進化を遂げることを期待している。

本研究では、副作用は認められなかったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38731363/


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