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高精度で犬の構造的てんかんを予測するための機械学習

投稿者:武井 昭紘

発作を起こす犬が抱えている病気は特発性か、あるいは、他に原因があるのか。それを明らかにするためには、数多の検査を実施する必要がある。しかし、その検査には多額の費用と多くの時間を要するため、全てのオーナーが理想的な検査数をこなすことは不可能に近いのだ。また、費用と時間が掛かる検査の提案に芳しくない表情をするオーナーに引け目を感じる獣医師も少なくないであろう。何か良い手立てはないものだろうか。検査を検討する前の診察で知り得る情報で、その必要性を把握する方法は何かあるだろうか。

 

冒頭のような背景の中、ドイツのライプツィヒ大学は、過去4年6ヶ月(2017年1月〜2021年6月)の間に発作に関する診察を受けた犬320匹以上を対象にして、彼らの診療記録を解析する研究を行った。なお、同研究では構造的てんかんに焦点が当てられており、診療記録を機械学習によって解析することで当該疾患を予測することに必要なデータの特定と予測精度の算出が実施されている。すると、下記に示す事項を基にすると感度約86%、特異度100%で構造的てんかんを予測できることが判明したという。

◆構造的てんかんの予測に利用する事項◆
・最初の発作が起きた年齢
・群発発作の有無
・24時間以内の発作の有無
・過去6ヶ月間での発作の状況
・過去1年間での発作の状況

 

上記のことから、検査を検討する前の診察で知り得る情報で、担当する犬が構造的てんかんである可能性を予測できると言える。よって、今後、一般の動物病院でも実践できるアルゴリズムが作成され、犬の構造的てんかんに関する検査の必要性が数値で客観的にオーナーに示せる未来が訪れることを期待している。

90000件弱のモデルケースで機械学習を進めたとのことです。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2024.1406107/full


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